天神学園高等部の奇怪な面々24
「まぁいいんだけどね」

いいのかよ。

シレッと1ページ前の激怒をなかった事にして、棺桶ズリズリ引き摺りつつ柩は真夜中の校舎を歩く。

彼は生物教師である。

『ナマモノキョウシ』ではなく『セイブツキョウシ』、念の為。

死体の癖に生物について生徒に教えるというのも首を傾げる話だが。

彼は教えるのである。

この世の生きとし生けるもの全てについて。

命って素晴らしい、美しい、いや、ふつくしい。

オケラだってアメンボだって、みんなみんな生きているんだと。

死人である事は棚に上げて教えるのである。

< 83 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop