眼鏡をはずして
眼鏡をはずして


「何度言えばお前はわかるんだ?資料、間違い多い。今すぐ直せ。」

「はい!すみません!」


今日も叱られてばかりの私。

厳しい指導で有名な彼は、イケメンにもかかわらず女性社員には人気がない。

泣かされた同僚も数知れず――-



矢島 圭介。



“女泣かせの矢島”“鬼メガネ”だとか、社内では有名な先輩だ。


「アンタ、よくあの矢島について行けるよね?」

隣りの席の同僚が鏡を覗きながら言った。

“あの眼鏡の奥には悪魔がいンのよ”と。


レンズ越しに覗くその瞳に、私の胸はどうしようもなく狂い出す。



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