恋。ときどき雨



「あるなら、見せてほしいな」



千里が言って、2人がこっちを見る



「・・・絶対、笑わない?」



「・・・そんなに下手なのか・・・」



「そういう意味じゃなくて・・・

 ま、いっか!ちょっと待ってて」



美術室の隅にある、

自分のバックから1つの絵を出す



それは、私の大好きな向日葵を描いた、

大嫌いな絵だった



紫の茎  オレンジの葉

赤い花びら  黒い種



そんな、醜い向日葵



「・・・これが私の絵」



「「・・・・・・・・・」」



ほら、やっぱりそう



みんな、私の絵を見た途端、黙って

最終的には笑いものにする



本気で描いたなんて信じてくれない・・・



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