激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集

 この男……



「柏原……? 顔が恐いわ……殺しちゃダメよ?」


『イーニアス、断る。何か勘違いしているようだが、俺は彼女を愛してる』


『カシワバラ! なんて美しい英語を話すんだ! ますます惚れたよ! それだけの美貌と知能をマリカが一人占めするなんて許せない』


『お前に許してもらう必要などない』


『その冷たい表情もたまらないな……うんといたぶってくれてもかまわないよ』



 コイツ何を言っても無駄だな。



「柏原、英語で内緒話しないでよ! まさかイーニアスをお姫様にしてあげるつもりなの?」


「勘弁してください、お嬢様……参りましょうか?」



「じゃあ……柏原が私の王子様になってくれる? ホールでワルツを踊りましょうよ」



 彼女の手をとるが、俺は眉をしかめた。


「それは無理です。私の身分は執事です。執事はホールで踊れない」



< 114 / 161 >

この作品をシェア

pagetop