激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集


 ワンピースの袖を汚さないように捲り上げてやると「ありがとう」と目を輝かせた。


 触れた細い腕。 簡単に折れてしまいそうなほど、か弱い腕だ……


「何をすればいい? 柏原」


 一番の手伝いは、そのまま大人しく椅子にでも座っていてくれる事なのだろうな。



「このビスケットを砕いてくださいますか? それなら貴女にもできるでしょう」


 ガラスのボウルに、ザッとビスケットを数枚入れ擦り棒を渡す。


 これくらいなら、猿にでもできるからな。


 お嬢様は、棒をビスケットに押し付けザクザクとそれを砕きはじめた。意外と素直だな?


「そうです。お上手です」


「これは、何になるの?」


「砕いたビスケットは、溶かしたバターとからめてケーキの底を作ります」


「ふーん」


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