激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集


「ねえ、竜司。さっきから何探してるのよ? はやく、茉莉果と柏原様の邪魔しに行きましょうよ」




「その前に、茉莉果ちゃんがピンク色の巻き貝欲しがってるって言ってたんだ!
直径五センチ以上のやつ!

 それを探して茉莉果ちゃんが喜ぶ顔をみたいんだよ」


 僕は、タヒチの真っ白な砂浜で茉莉果ちゃんが欲しいという巻き貝を探す。


 麗香は、大きなパラソルの下でトロピカルジュースを飲んでいた。



「バカね、誰がそんな事言ったのよ?」


「えっ、誰ってあの悪魔みたいな顔した使用人」


 あの忌々しい使用人だが、たまには優しいところもある。彼女が欲しがっているものをこっそり教えてくれるなんて。

 いつも何考えてるか分からないような微笑みを浮かべて僕を睨みつけてくるアイツが 『茉莉果お嬢様が巻き貝を探していらっしゃるのに私にはどこを探したらいいのかわかりません。直径五センチ以上の巻き貝か……』と珍しく弱音を吐いていた。


 出し抜こうと先にビーチに来た。

 絶対アイツより先に見つけてやるんだ。





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