激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集

 揺めきの中、一つの大きな岩場に近付いていくと、そこには人魚の居住区になっている。彼らは外敵が現れる心配もせずに優雅に美しく海底を泳ぎ、 そして歌を歌い、水中で音楽を楽しんでいるようだ。


 その中に珊瑚の美しい輝きでしても敵わぬような姫が、柔らかそうな海草にフワリと可愛らしく座っていた。





 他の人魚達が、優美に海底を泳ぎ魚や海の生物と戯れているのに対して、美貌の人魚姫はただ海草に座りそれを眺めていた。



 貴女はこう言うはず、だって私、泳げないもの。


 彼女は不貞腐れたようにそう言い放つと、綺麗な光沢のある尾びれをぜんまい人形のように不安定に前後させた。


 すると、海草の上から彼女は広い広い海へと飛び出した。



 その泳ぎは、死の苦痛に最後の力を振り絞りもがきました苦しむ青虫のようだ。


 ギクシャクと体を前後させて、彼女はその可愛らしい眉をしかめた。





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