激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集


「執事さぁん、同じ階じゃないですかぁ~」


 馴れ馴れしく肩を組んでくる酔っ払い男。 お嬢様の学園の教師じゃなきゃ、即息の根を止めてやってもいいのだが……


 我慢だと、自分に言い聞かせて。無視を決めた。


「あのですね。執事さん、あのお嬢様は、どうにかなりませんかぁ?」


「あのお嬢様とはどのお嬢様でしょうか?」


「またまた~! 自分、現代文の教師やってるんですけどっ! 紫音の珍解答は凄まじいです!」


 確かに、お嬢様の解答は破壊力がありそうだ。


「まず!自分の名前が長いじゃないですか『紫音茉莉果』ってだから『紫(略)』とか書いてくるんです!」


 最悪だな。いくら裏口入学させてもらったからって、それなりに頑張れよ。
 
 この酔っ払いに、少しの同情心が芽生える。


「かと言って、赤点つけられないんですよー。ほら理事長がついてるし」


 紫音家はかなりの多額の援助を学園に無償で提供しているらしい。そのせいで理事長はまるでお嬢様の飼い犬のようだ。




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