激しく愛して執事様 SWeeT†YeN ss集

 綺麗に整頓されたお嬢様の勉強机。職人が端正に手彫りした彫刻がほどこされた見事な机だが、あまり活用されることがない。

 この椅子に体を縛り付けて勉強するようにしたことは何回かあるが、口も塞がないと小娘は勉強しない。


───それにしても、気になる。



 その机には見覚えのない「Diary」と書かれた白いレースのあしらわれている可愛らしい日記帳が置かれているから……



「何かの罠か……?」


 ぽつんと、取り残された日記帳を凝視する。


 こんな小さな日記帳ごときに時間を割いている場合ではない。まだアフターヌーンティーの準備も、夕食の下ごしらえしなきゃならない……





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