未来日記。
高校進学

『日向このみ。中学校をぎりぎり卒業。
友達が一人もいない高校に進学。』


よし、行くか。

慣れない制服を着て、中学生の頃とは違う髪型。
まだまだ子供だけど、やっと高校生になった気分に浮かれてしまう自分がいる。
鏡の前でにやける。

「姉ちゃーん、そろそろ行かないと遅刻するよー」

あ、やばっ
鞄を持ってドアを開け…る前に。
危ない危ない。
机の上に置いてある一冊のノートをとる。

「これがなきゃね」

そのノートを鞄に大切に入れる。
これは、あたしの大切なもの。

あたしの大事な”未来日記”なんだもん。


「いってきまーす」

玄関のドアを開けて、前とは違う通学路に目を向ける。
そこにちょうど隣に住んでいる
幼馴染の朔真が出てくるとこだった。

ほんとは一瞬、誰なのかわからなかった。
制服が違うし、しかも似合ってるし、雰囲気も違うし…
なんか、かっこよくなったかも。

「あ、このみじゃん」

こっちに気付いた朔真。
でも、前とは何かが違う。

いつもなら
「よーっす、このみー。今日も寝癖だらけだなーww」
みたいな感じであたしよりも子供だったのに。

「お前も今日から学校か?」

ばかにしてた子供の朔真じゃなく、
落ち着いた大人の朔真になっていた。

しかも、身長も見ないうちに大きくなってるし…。
朔真は遠くから見るとたいしてわからないけど、
だんだんとあたしの近くに寄ってくると
あたしの身長を越して、あたしが上を見ることになってしまった。
それに、あたしがいうのもなんだけど
やっぱり朔真はかっこよくなった。

「そーだよ。朔真とは違う高校だもんね」

「だよなぁ。お前をいじれなくなるなんてなぁ」

右手で朔真の腕を叩く。
痛っ、ごめんって!!
笑いながら腕をさする。
これは、いつもと変わらずか。
まぁそのほうがあたしたちらしいよね。

「あ、やべっ、俺もう行くわ。じゃあな」

「うん。じゃあね」

二人で反対の通学路を行く。
あたしも歩き出す。
でも、振り返る。朔真の行った方向を。

もう一緒じゃないんだね。

じゃあね。
小さく呟いた。

あたしも行くか。朔真とは逆の方向に向かって歩き出した。








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