笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『お疲れ~』

グラスを合わせる音が
綺麗に響いた

やっと終わった

ようやく終わった

『今日1日、すごく
長かったよね~』

『本当、かなり
疲れたぁ。こんなに
頭使ったの初めてかも』

みどりが安堵の表情で
笑いながら言った

わたしたちは
先生の家にいた

『どうだった?』

先生の質問に、思わず
3人で顔を
見合わせてしまった

『なんだよ、お前ら。
頑張ったんだろ?
あとは結果を
残すだけだろ?』

『そうなんだけどさ。
何かよくわかんねーけど不安っつうか
ドキドキっつうか
自分でもわかんねー』

凌が言った

わたしも凌と
同じ気持ちだった

何となく不安で
いっぱいだった

『俺もそうだったな。
表現出来ないような
そういう気持ちだった』

先生は過去を懐かしんだ

わたしの知らない過去を

先生の過去なんて
どうでもいいんだ

今が幸せならそれでいい
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