笑顔の向こう側 ~先生とわたしの軌跡~
『それより
凌はどうなのよ?』

みどりのフリに
凌は溜め息をつく

『今告白したって
俺が卒業したら、結局
離れるんだぜ?俺は
みどり達みたいに
うまくやってく
自信はないよ。
それ以前に、あいつが
俺をどう思ってるかも
わかんねぇし』

珍しい凌の弱音

凌は自分の事になると
すごく臆病になるんだ

凌は1つ下の
バスケ部の子が
好きなんだ

わたし達が
引退したあとの
新キャプテン

『あいつ、キャプテン
なんて、おっきな責任
負ったから、恋愛なんかしてられねぇ時期
なんじゃねぇかな』

どこまで
いいやつなんだか…

自分の気持ちを
押し殺してる凌

わたしにはデカい事を
言うくせに

『わたし頑張って告白
したんだから
凌も頑張れば
いいじゃん』

『人事だと思って…』

また凌はふてくされた

『みどりの幸せ
わけてもらいたいなぁ』

『だめ。あたしの幸せ
減っちゃうじゃん』

みどりは
ニコニコしながら言った

わたしと凌は同時に
溜め息をついた

『帰って
テスト勉強するか』

凌の言葉に外を見ると
夕焼けがまぶしかった
< 69 / 383 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop