あくしゅ。
Act.Ⅲ

のしかかる不安

「頑張ってね!加油!」


―――ピッ


携帯を握り締めた

里美の表情は曇っている。


ジェイクからの突然の告白から

暫く経っていた。


告白されたのも、

こうしてジェイクと

付き合っているのも、

全てが夢で

消えてなくなってしまうのではないか

という不安に、

毎日押し潰されそうだった。


日本と台湾。


一般人と芸能人。


立場が違う2人は

会う時間が全くない。


電話だけでは埋められない

寂しさや不安が、

里美の中に

どんどん積もっていった。


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