初恋-はつこい-
詩織は複雑な顔をしながら

受け取るのをためらっている。


「詩織ちゃん、

 気にしないで受け取って。

 私、サイダーも

 気になってたんだ」


柔らかな笑顔をしながら

真由がそう言うと、

詩織はゆっくりと

真由から紅茶を受け取った。


「あ、ありがとう、ございます……」


小さくお礼を言うと詩織は

顔を赤らめながら

自分の席へと戻った。


真由は残りのジュースから

サイダーを取った。


詩織が自分の手から

ジュースを受け取ってくれたことが、

真由の重苦しい心を

少しだけ軽くしてくれた。


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