初恋-はつこい-
「それにしても、

 あまりにもベタだよね」


花帆が黒板を見つめながら呟く。


そんな花帆に

まあまあと言いながらも、

真由もまた同じ事を思っていた。


“京都の庭園の再現”


修学旅行を終えたばかりの

真由たちだからこその

テーマなのだが、

それが尚更つまらなく感じさせた。


話し合いを終え、

2組は解散となった。


真由が帰ろうと

席を立ったと同時に、

花帆が真由の腕を取り、

「杏奈のところに行こ」

と半ば強引に引っ張った。



< 323 / 485 >

この作品をシェア

pagetop