初恋-はつこい-

受験戦争!

凍てつく寒さが

身にしみる快晴の日。


天気予報では

今期一番の寒さを

記録していると言っていた。


それ程の寒さの中、

とうとう高校入試の日を迎えた。


睡眠をちゃんととろうと

思っていた真由だったが、

何ともいえない緊張のせいか、

十分に寝ることが出来なかった。


少し重く感じる身体を

どうにか動かし、

ゆっくりと制服に袖をとおした。


真由は部屋の隅にある

姿見を見ると

頬を軽く2,3度叩き、

「よし、大丈夫」

と自分自身に向かって

気合を入れた。


机に置かれた肩掛けカバンに

筆記用具と受験票、

そして圭輔から貰った

あの栞をそっと入れ口を閉じた。


全ての用意が整った真由は、

もう一度姿見を通して

自分を励ます。


「ファイト、私!」


そして部屋のドアを開け

玄関へと向かった。



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