初恋-はつこい-

吹奏楽部

放課後。


進級して初めての部活動がある。


しかし真由はそんな事は

もうどうでもよくなっていた。


拷問のような

この学校内の雰囲気に耐えられず、

早く帰りたい思いでいっぱいだった。


「真由ー。一緒に部活行こ」


杏奈が元気良く真由に声を掛ける。


その声にびくんと真由の身体が反応する。


「か……帰りたい……」


真由が蚊の鳴くような声で言った。


「そんなの、私が許さないからね。

 ちゃんと真由のことサポートするから」


真由の両肩をがっしり掴みながら

杏奈は言った。


その迫力に負け、真由は小さく頷いた。


「よっし。じゃ、行こ」


杏奈に引っ張られるように

音楽室へと向かい始めた。


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