Sweet Life
ホテルを出てマンションへ
――
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お風呂に入ってリビングでお茶を
う~ん。私はやはり日本人だな。
日本茶が美味しい。
落ち着くわ。
「菜摘」
「うん?」
「貴女、ちゃんとやってるの?お料理とか掃除洗濯とか」
「ちゃんとやってるよ。高原の家もちゃんと掃除してるし」
いくら母親だといっても失礼じゃない?
「フフフ…膨れないの。そうよね、結婚式は明日でも樹さんのお嫁さんになって四ヶ月になるんだもんね」
「うん」
「樹君がついてるんだから大丈夫だ。約束通り成績も上がってるし」
「そうね。やっぱりいい先生がいるから」
「お父さんお母さん、頑張ったのは私ですからね。樹じゃなく」
「でも樹君に教えてもらってるからだろ」
「これからも言うことを聞くのよ」
「……」
実の娘より樹の方が信頼されてるのね。
本当に失礼じゃない。
だいたい結婚式前夜にこんな話で終わるなんて…
「お父さんお母さん、長々お世話になりました」
ってのはないのかしら。
「じゃあもう寝なさい」
「寝不足の花嫁なんて樹君に嫌われるぞ」
「……」
お父さんは何処までも樹贔屓だ。
ま、息子が欲しかったんだし。
それに樹もお父さんの前では優しいいい息子を装ってるもんね。
あの腹黒変態どS男は。
フフ 今頃クシャミしてるわね、きっと。