てがみ~未来への約束~
真新しいスーツを身にまとって、

私は大きく深呼吸をしてから、

「よし」

と小さく声をかけて

配属先の部署へ一歩入った。


「おはようございます!」


声を張り上げたその瞬間、

一気に全員の視線が私へと注がれる。


ううー、緊張する……。


どうしたらいいのか分からず、

出入口で固まっていると、

後ろから、

抑揚のない静かな声が飛んできた。


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