てがみ~未来への約束~
「おはようございます!

 ……て、あれ?」


目の前にはガランとした空間。


まだ、誰も出社していない?


それもそうか。


新人だから、

私は誰よりも一番に社につくように、

家をかなり早めに出たんだった。



「私、だけか……」


ぽつりと呟いて、

自分の席に着こうとした時だった。


「残念、僕が先です」


静かに響くその声に、

私は思わず身体をびくんと震わせた。





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