Sweet Life(番外編)





「う~ん美味しい」


優雅なティータイムを一人楽しんでると


「相変わらずお気楽で」


いきなり後ろから声


「おかえりなさい」


気がつかなかった。


「だって今日は小春日和だよ」


そう。


今日は冬だというのに暖かい。


「飲む?」


ダーリンにも進める。


何たって優しい妻ですから。


「それ何?」


カップを覗き込み怪訝な顔



「ハイビスカスティー綺麗なピンクでしょう?」


「ハイビスカスティー?俺は普通のコーヒーがいい」


失礼な。


キッチンに行きコーヒーを入れ


「はい、どうぞ」


二人まったりお茶タイム


「ハイビスカスティーってあのハイビスカスか?」


「よく見るハイビスカスじゃなくてこれはハイビスカスローゼルって言うの。種目は一緒だけど別物」


いくら先生だって分からないわよね。


特に数学教師には。


「クレオパトラも飲んでたんだよ」


それがハイビスカスティーの売りの目玉だと私は思ってる。


飛び付いて買っちゃったんだもん。


「クレオパトラ?」



「うん。綺麗になれるんだって。見ててね綺麗になるから」


ダーリンの為に


「マジにお気楽な奴」


いいのいいの、何を言われても


「珍しく言い返さないんだな」


「だって無事大学に合格したんだよ」


だから優雅な休み。


これで数学の鬼ともおさらばだわ。


「よく受かったよな。やっぱり俺って最高の教師がいたからな。感謝しろよ」


いや、私が頑張ったからだと。


「ん?」


「いえ、何でもありません」


「大学に行っても安心しろ。みっちり見てやるから」


「えっ?な、何をですか?」


何か嫌な予感


「大学の勉強。俺は賢いんで数学以外もOK」


「……」


頭の良すぎる旦那を持つのも考えもんだわ。


ねぇ、お願い!


ダーリンの目玉が飛び出るくらいのいい女になるから。


だから教師は小休止して愛しのダーリ ンに専念して~







*END*



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