龍王 【完】
「真帆、私は諦める。
斗輝にはふさわしい家柄の人がいいと思うから…」

「えっ…萌佳ちゃん。」

匠さんが慌ててるけど…

「萌佳は、それでいいの?」

「……」

イヤだけど…仕方ないもん。

「斗輝、何か言えよ。
このままじゃ、萌佳ちゃんを失うぞ!
失った、お前の方が怖ーぞ!俺達…」

「萌佳は俺の傍にいるんじゃないのか?」

「居たいよ。でも…ヒック…許してもらえないよ。」

斗輝は泣き出した私を抱き締めた。

「失ったら、俺は生きてても意味がない。
俺が幸せなのは、萌佳が傍にいる時だけだ。
そして、幸せにしたいのも萌佳だけ。
だから傍にいろ…」

そう言ってくれた。

嬉しい。

けど…こんな私じゃ…
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