龍王 【完】
だけど、納得されずに

「真帆、帰る前に聞いたこと話せ。屋上はそれからだ。」

私が頷いたから『わかった』といい、座って話し始めた。

「そうね、斗輝。萌佳は、ここから6つ離れた場所にある施設に住んでたんだって。

両親が2歳の時に交通事故で亡くなり、萌佳も、乗っていたのに、萌佳だけが助かった…

中学に入って、親がいない施設で育ってるっていじめられて不登校になり、ここにしか入れなくて受験してここに来たって…

空に見て泣いたのは、ご両親を思って流した涙。

屋上の帰りに、2年の女に言われたそうよ。屋上は決められた人しか入ってはいけない場所だと…だから許可がいるのよ。

それから、学校では萌佳の傍にいるから、匠の傍にいることが少なくもなるわね。」
< 18 / 698 >

この作品をシェア

pagetop