龍王 【完】
「ゆっくり入ってね。」

お風呂場を後にしてリビングに戻るとお義母さんに

「斗輝は、倉庫に行くって?」

「はい。」

「萌佳ちゃんも行くの?」

「いえいえ…今日も行きません。
のんびりしてたいので―」

「妊娠中なんだし、家に居る方がいいわね。」

微笑んで言うお義母さん。

私もキッチンに行き、サラダの準備を手伝った。

「ただいま」

「おかえりなさい。お義父さん」

会社から帰宅してきてベビー用品に目を向けた。

「母さん、買いに行ったのか?」

「おかえり。そうよ。少しずつ揃えていこうって思って…」
< 276 / 698 >

この作品をシェア

pagetop