龍王 【完】
「ただいま」

玄関から声が聞こえお出迎えすると
お義父さん。

「おかえりなさい!」

「斗輝はまだなのか?」

「うん。もうすぐ引退なのでー…」

お義父さんは優しい顔で『そうだったな』
って言う。

だけど…だけど胸が痛い。

いくら斗輝が望んだからと言って子供を産んで良いのかと
不安もある。

斗輝の自由を奪っていいのかと…

引退が近くなって思い始めている。

でもこの子を失いたくないのも確かで不安になる。
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