龍王 【完】
妻はわからないけどと言った。

ちょうどリビングに来た娘に言う。

「すまん。昨日の話は忘れてくれ。」

「えっ…パパ?」

「さっき断わってきたよ。
彼女がいて結婚するらしい。」

「そんな…凄くカッコイイ人だって
分かったのに―…」

妻がリビングを出て行った時に娘が
可哀想に思えて言ってしまった。

「そんなに欲しいなら彼女さんと
話してみるがいい。
必要なら調べるが?」

「お願いパパ…調べてー…
どんな人か知りたい…」

安易に言った言葉があんな事になるなんて。
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