上から眼染。
ーーーズズズ・・・ッ


・・・・・視線を感じる。

アタシは菜々の前の席に座り
後ろの方の席から視線を感じ取った。


イチゴオレを啜りながらチラッと
アタシの隣の席、菜々の席とは遠い席
のある人物を見つける。


「・・・湊斗ってさぁ、
菜々のこと好きだと思うんだけど」

ーーーぶはぁッッッ!

菜々はコーヒー牛乳にさしてある
ストローをくわえながら
思いっ切り息を吹き出した。

「何!?汚いなぁ」

「『何!?』
はコッチの台詞よっっ!」

菜々は照れ隠しのように
机をキレイにし始めた。

「だって、
湊斗が菜々のこと見てるんだもん」

「・・・・・っ」

菜々はさらに顔を赤くした。
やがて目を見開いて直視していた
菜々の視線がアタシからふと動いた。


そうーーーーー湊斗に。

湊斗は菜々が振り返ったことに驚き
あからさまに顔を背けた。

・・・と同時に
菜々もばっとアタシに向き直った。

「ね?」

アタシは胸を張ったような言葉で聞く。
頬は紅潮させたままだが
菜々は冷静を装った。
そして呆れたように
大きな溜め息を吐いてから、

「悠璃って鈍すぎ」

「?」

菜々は小さい声で何かを呟いた。
その言葉が聞こえなかったため、
アタシは頭の上にクエスチョンマークを
出すことしか出来なかった。
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