君のためなら
1章


「はぁ~・・・」

「・・・ちょっと、澄花!今日1日で何回ため息ついてるんじゃ!」


そういってあたしの頭をたたいたのは心友の雛奈(ひな)。

そして雛奈にたたかれたあたしは朽木澄花。


「だって・・・無視られるんやもん!!!」

「誰に?」

「・・・龍夜」


小関龍夜。

・運動神経抜群

・ルックスよし

・おまけに勉強もトップ

いうことなしの彼。

そしてあたしの彼氏・・・のはず?


「無視られるってどうゆうことよ?」

「だから!話しかけても無視なの!小学校の時はめっちゃ話してくれたのに・・・中学校に入ったとたん話してくれなくなったの!中学デビューなの!」

「中学デビューって・・・」


小学校のときの龍夜は優しかった・・・。放課後母親が迎えにくるまで一緒に待ってくれたり。目が合うたびに笑ってくれたり・・・

けど中学校に入ったとたんまったくといっていいほど話してくれなくなったのだ。

そしてあたしは1日にこれでもかというぐらいのため息をしてるってわけ。


「もしかしてあたしの事もう好きじゃなくなったとか・・・?」

「んー。どうだろね?気になるなら確かめてみない?」

そういうと雛奈は口元を少し上げニヤッとした。

雛奈がこうするときは何か悪いことを思いついたときだ。

「た、確かめる・・・?」

「そ!一回龍夜に別れようっていってみるの!で、そのときの反応で見極めればいいんだよ!」

「えー・・・」

「大丈夫!あたしが行ってきてあげるからさ!」

そういうと雛奈はさっさと行ってしまった。

てか心の準備出来てないんですけどっっ!


しばらくすると雛奈は少し険しい表情でこっちに戻ってきた。

もしかして予想があたりだったとか・・・?


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