君のためなら
4章
中学3年生になったある日。あたしは告白された。

しかもあたしの大嫌いな人に。

けれであたしは断れなくて付き合うことになってしまった。

そして向かえた修学旅行。

最高の思い出を作るぞー!

とみんなはやいでいるがあたしはあまり乗り気じゃなかった。

彼氏に一緒に回ろうといわれたのだ。

あたしは断りたいけど勇気が出なかった。

そしてそのことを誰にもいえずにいた。

班での行動の時、同じ班だった達也が

「なんか朽木、ずっと元気なくない?楽しくないんか?」

「え・・・あ、ううん!楽しいよ?」

「なんか無理してる。なんかあった?」

達也になら・・・話してもいいかな?

「実は・・・」

あたしは全部話した。付き合う気がなかったのに断れなくて付き合ってしまったこと。そしてその人に最終日一緒に回ろうといわれていること。全部伝えた。

「ん~。まぁでもはっきりゆったほうがいいんちゃうか?」

「でも・・・嫌いやからっていえないやん」

「仕方ないやん。人は誰だって嫌いなタイプとかあるし。朽木がその人のこと嫌いとか怖いとか思ってもそれがダメとは思わん。むしろ人間そんな風に思わんかったらあかんで」

達也はまじめな顔で話した。

あたしは次の達也の言葉に耳を疑った。

「嫌われる人にはな何かしら理由があるんや。でもそれってなおせって言われて直るものじゃない・・・」

初めて見る達也の悲しそうな表情。

いつも強くて笑ってる達也しか見たことがないあたしは目が離せなかった。

「ま、俺がそうやしな!」

俺がそう・・・?

「・・・どうゆうこと?」

「ん?だからみんなに嫌われてるってこと」

「達也が?」

「うん」

達也がみんなに嫌われている・・・

あたしの友達が達也の悪口をいっているのを聞いたことがある。

達也の男友達が達也の悪口をいっているのも聞いたことがある。

あたしはそれに一度も同意したことはなかった。

あたしは達也のことを嫌いだなんてもったことがないから。

達也は知っていた。嫌われてるってこと。

それでもくじけずに普通に生活を送っているんだ。

あたしは達也の見たことのない悲しそうな表情を見て泣きそうになった。
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