夏の香り


――それから夏井は嫌というほどしつこかった。



お昼休みになれば、




「一緒に食べよう!」




と俺の隣に座って参加するよう勧誘しまくり、




休み時間がある毎に




「海って良いよねー」




と読書をする俺に話し続け、




しまいに帰り道まで――…




「青春の海へ行こうよ!」




訳の分からないことをのたまう始末。


こんな日が何日も続いた。
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