優しい獣
考え事に没頭していた様で、前から来た人に気付かずぶつかってしまった。

「ごめんなさい」

一言誤り、その場を離れようとしたが、不意に腕を引かれ足を止める。

「へぇ、かわいいじゃん」
「そんなヤツより、俺達と遊ぼうよ」

掴まれた腕は振りほどいたが、タチの悪いのにぶつかったようだ。

男二人が相手ではかなり分が悪い。

助けを求めようと、辺りを見回しても巻き込まれるのはゴメンとばかりに皆足早に過ぎていく。

どうしようと泣きそうになった瞬間、繋いでいた亮の手が大丈夫とばかりに握りしめてきた。
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