人を愛すること
それから暫く連絡をとっていなかった。



そんなある日の夜、秋からメールが来た。



「かなちゃん…死にたい。」


突然のメール。


「死んじゃだめだよ!」


「かなちゃんには分からないよ。」



「分かんないよ。でも死んじゃだめ。」


「声聞きたい。」


「電話する?」


「うん…」



―――――――――


「…もしもし。」


「かなちゃん…僕もう死にたい。」

「生きてよ。」


「かなちゃんには僕の気持ちわかんない。僕はどうせ持病で死ぬんだよ。」


「でも生きてる限り生きようよ!」



「もうほっといて。」


「…………。」


「かなちゃん…かなちゃん…僕が死んだら悲しい?」

「悲しいよ。」


ほんの少し涙が出てきた。


「泣かないで。」


そんなん言われたら泣くよ。
でも私ももうめんどくさくなってきて本気で泣いてへんのに鼻すすって泣いてるふりしてた。






私はどうすることも何かを言うことも出来なかった。


そして二回目の電話で本当に何も言葉が見つからなくて黙っていたら


「何でなんも言わへんの?死んでもいいんや?」

って電話は切れた。

誰もそんなん言うてへんやん。




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