運命を変えるため。

 昼食は、明日香が作ってくれた。市販のパスタソースを使わずに作ったカルボナーラは、贔屓目を抜きにしても、とても美味しいものだった。

 俺は、明日香の知る未来を聞かない。そして明日香も、それだけは話さない。
 俺が聞く必要がないと考えたのと同じく、彼女も言う必要がないと考えたのだろう。

 花瓶に綺麗に生けられたピンクの花達が、窓から流れてくる風に反応して静かに揺れる。

 穏やかな時間が、二人の間を流れていた。
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