運命を変えるため。

 読んでいた求人情報紙を軽く丸めて鞄に押し込み、電車を降りた俺は、自宅近くの自販機で炭酸の強いジュースを一本買ってそのまま帰宅した。

 制服から部屋着に着替え、鞄の中に押し込まれていた求人紙を再び取り出し、先程自販機で購入したジュースを開けたとき、制服のポケットに入れたままになっていた携帯が鳴った。

 ペットボトルに少し口を付けてから携帯を取り出すと、メールの受信を知らせるマークが点灯している。

 メールを確認すると、些かの期待を裏切らず、予想通りの人物からだった。
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