ルチア―願いを叶える者
「お前、川下の方で倒れてたんだよ。雨も降ってたし、洞窟で夜を明かしたってわけ」
顔に出ていたのか、ロイは私の疑問に答えてくれた。
「そうなんだ…。本当に助けてくれてありがとう。あなたがいなかったら……」
また誰かに捕まってた。
そうしたら本当に二人に会えなくなってしまう…
「おおげさな奴だな。体、平気になったか?」
「あ…うん。頭少し痛いけど大丈夫!」
今は…
へばってる場合じゃない。
「ならお前に聞きたい事がある」
「うん」
「お前は、ルチアか?」
「…………………」
何でわかったの!?
まさか、眠ってる間に何かした!?
「なんてな、んなわけないか」
「……………へ?」
あれ、どうしよう…
ついていけない。
「ルチアなんてただの伝説だしな。国の奴らもついにイカレやがったか」
あ…
この人、ルチアは本当に存在しないと思ってるんだ。
ルアーネみたいにその伝説が本当だと信じられてる国もあれば、あまり伝わっていない国もあるんだな…
「花音、歩けるなら俺の村に来い。休んでいけばいい」
「あ…ありがとう」
本当はすぐにでも二人を探しに行きたい。
あの後、ビラーやメル様がどうなったのかを確かめたい…
でも………
私は弱いから、自分の身も守れないでむやみに飛び出せない。
私が死んでしまえば、世界が終わってしまうのだから…