ルチア―願いを叶える者
「帰ってきて、レイズ王子!」
―あ…あっ……
―グワンッ
「グアアアッ!!!」
レイズ王子の体がツルの間から見えた。
「アル!!」
「はぁぁっ!!!」
―ザシュッ!!!
「グアアアッ…あ…」
アルはその中からレイズ王子を引っ張り出す。
「ルチアの力よ…」
―パアアアアッ
私の体から光が放たれる。
「レイズ王子の闇を消し去って!!!」
―ピカッ
私の命の花が散り、光がレイズ王子を包み込む。
―ドクンッ
「うっ…あっ…」
胸が痛い…
体に力が入らないっ…
―ドクンッ…ドクンッ…
「うっ…う……」
いつもより苦しいっ…
何でっ…
「はぁっ…はぁっ…」
もしかして……
もう時間が無いの?
私の命が尽きかけてるの…?
「…俺…は……」
レイズ王子が目を覚ました。レイズ王子に絡みついていたツルは消えている。
良かった………
この人を助けられて…