桜が求めた愛の行方

10.それぞれの痛み

部屋に入った途端に、荒々しく唇を
奪われた。
いつもとは違う優しさの欠片も感じられない
罰するようなキス

それでも、嫌悪感で突き放されなかった事にさくらは喜びを感じ涙した

『泣くほどあいつが好きなのか!』

唐突に突き放されて、吐き捨てるように
言われた。

『なぜ結婚する前に言わなかった!
 今までのは全て演技だったのか!!
 だから、とりあえずにこだわって
 いたんだな!!』

矢継ぎ早に言われて、ようやく勇斗が
言わんとしていることが呑み込めた。

『違うっ!誤解よ!』

『今さらそんな言い訳が通用するか!』

『言い訳じゃないの、ニールは……』

『俺の前であの男の名を呼ぶな!』

『でもっ』

『俺はまんまと騙されていた訳だ』

『騙してなんかないわ、それに彼は……』

『それに?あの男がなんだという?!
 今は誰のものかわからせてやる!』

また激しく唇が奪われベッドに押し倒された。
首や肩に噛みつくように口があてられ
抵抗する間もなく、知り尽くされた身体が
性急に追い立てられていく。

『ダメ……ゆうとっ……』

もう限界という所まで高められた時、
彼がすっと離れた。

すがり付くように首に手を回すと、
彼は苦笑いし、腕を上下に擦ってそれを
外された。

すぐに戻ってくると、大きく足が開かされ
一気に貫かれる。
容赦なく繰り返される激しい挿入に、
なすすべがなく、全てをさらけ出した。
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