桜が求めた愛の行方
第三章

1.新たな戦いの始まり

ベイサイドのブライダルフェアは、
大盛況だった。
招待客のほとんどを常連客にしたのは
間違っていなかった。
あの人達の昔を懐かしむ姿こそ、
勇斗が狙っていたものだ。
トラディショナル……そして絆。
それを生かして生まれ変わるんだ。

この冬のクリスマスには、
新しいベイサイドホテルが見られるだろう

いよいよ自分の力が試されているのを
肌でひしひしと感じる。

この成功が未来へ繋がると思うと、
胃がキリキリする重圧を感じるが
それさえもモチベーションを保つには
いいと思える。
問題はまだまだある。
だがその一つ一つを丁寧に解決している
時間はない。
とにかくベイサイドと軽井沢さえ成功を
納めれば、支持を得られるはずだ。

そこからが本当のスタートになるだろう。

それにしても……
気がかりなのは、美那の件だ
嫌がらせ、スキャンダル、色々な方向からの
対策を考えいたのに。
まさか、本人が欠席で試着の時の
モデルと組む事になるとは。

結局、美那一人による嫌がらせだったのか?
いや、そんなはずはない……

『勇斗様?それでは、来月から軽井沢に
 1ヶ月ほど滞在でよろしいですね?』

田所が組み直したスケジュールを
再度確認している。



< 150 / 249 >

この作品をシェア

pagetop