ショコラ SideStory


「……その技術を教えて頂戴」

「それ教えちゃったら俺の仕事なくなるだろ? まあいいや。今度あの店行くよ。『ショコラ』だっけ」

「うわー、くんな。福ちゃんは、隆二くんに変なこと言いそうだから嫌」

「そう言われるとますます行きたくなるな。お、時間だ、またな」


ひらひらと手を振って、カメラマンは出て行く。

お茶も出さずに失礼しました、なんて背中に投げかけるとおどけたように両手を挙げた。


「……なんかレアものな康子さんを見てしまった」


ポツリと失礼なことを呟くのは森宮ちゃん。
こっちは見られたくないところを見られて勝手に顔が熱くなる。


「ほら、仕事仕事!」


今一番サボっていたのは私のはずなのに、照れ隠しに声を張り上げた。
< 52 / 432 >

この作品をシェア

pagetop