ショコラ SideStory
「……その技術を教えて頂戴」
「それ教えちゃったら俺の仕事なくなるだろ? まあいいや。今度あの店行くよ。『ショコラ』だっけ」
「うわー、くんな。福ちゃんは、隆二くんに変なこと言いそうだから嫌」
「そう言われるとますます行きたくなるな。お、時間だ、またな」
ひらひらと手を振って、カメラマンは出て行く。
お茶も出さずに失礼しました、なんて背中に投げかけるとおどけたように両手を挙げた。
「……なんかレアものな康子さんを見てしまった」
ポツリと失礼なことを呟くのは森宮ちゃん。
こっちは見られたくないところを見られて勝手に顔が熱くなる。
「ほら、仕事仕事!」
今一番サボっていたのは私のはずなのに、照れ隠しに声を張り上げた。