悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 2~



11時。


灯里は駅の改札の前で玲士を待っていた。

薄黄色のブラウスにアイボリーのフレアスカートを身に着け、首元には玲士にもらったシルバーのネックレスをつけている。

髪は下ろし、耳元の髪だけ後ろで飾りピンでまとめてある。

女性雑誌を参考にしながら灯里なりに頑張ってみた。

さすがに挨拶に行くのにいつものようなラフな格好で行くわけにはいかない。

こういう服装でいいのだろうか?

とちょっと心配に思ったとき、改札の向こうから玲士が歩いてくるのが見えた。


癖ひとつないサラサラの黒髪に、透明感のある黒い瞳。形の良い白い頬。

背は灯里より頭二つ分ほど高く、すらっとした均整のとれた体に薄青のストライプシャツとグレーのスラックスを身に着けている。

毎度のことながら、格好いい。

思わず見惚れた灯里だったが、玲士も灯里を驚いたようにまじまじと見た。


「へぇ」

「なによ」

「サルにも衣装。……じゃなかった、馬子にも衣装」

「……っ」


灯里は思わずべしっと玲士の腕を叩いた。

予想した言葉ではあったがわざわざ口に出すか?

玲士はくすくす笑い、ムクれる灯里の耳元に唇を寄せた。


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