写真嫌いと男嫌いの私がモデル?
手術室のランプが消えて病院の先生が出た。
「手を打ちましたが、心配停止で意識が戻りません。もう少し、様子を見たいと思います」
意識が戻らない?
って事は、愛歌は危篤中。
「愛歌は、死んではないんですよね?」
高岡さんは、言った。
「残念ですけど、死ぬ可能性が高いです。申し訳ありません」
病院の人は、そう言って頭を下げた。
死ぬ可能性が高い?
じゃあ、愛歌は死ぬのか?
嘘だ。
そんなの嘘だ。
撮影だって今日で最後なのに……
死ぬなよ……愛歌……
俺は、愛歌が好きなのに……
まだ、好きって言ってないんだぞ。
いつも見たいに言えよ……
俺は、病院室に入って愛歌の頬を触って見た。
冷たかった。
「こんなの嘘だ。嘘だ」
俺は、まだ信じられなかった。
「勇輝君、落ち着いて。まだ、助かるかもしれないし……」
高岡さんは、必死に俺を落ち着かせようとした。
でも、俺は無理だった。
「高岡さん、撮影はどうなってるんですか?」
「愛歌が居ないからしばらく撮影中止になってるのよ。皆、心配してたわ。ちょっと皆に今の状況を言ってるからしばらくそこに居てね」
高岡さんは、そう言って出ていた。
俺は、静かに愛歌の顔を見た。
綺麗な顔で寝ている愛歌。
いつもと変らないじゃねぇか。
何で寝てるんだよ……起きろよ……愛歌……
俺は、そっと愛歌に口づけをした。
お願いだから目を覚ませよ……