だってキミが好きだった






「はぁ、」






あぁもう。どうしよう。



何回目だよ、これ。


でも出るさ。



出るに決まってるでしょうよ。




これから彼に会うかもしれないって思うと、溜息も出るに決まってるでしょうよ。




昨日の今日。



気まずい。すっごく気まずい。


本当、朝から憂鬱。


彼は私なんか気にしてないのかもしれない。



でも私は気にする。だって元彼だ。


もう未練なんて無い筈……だけど、でも、ね。



気まずいものは気まずい。




とぼとぼと歩く私に廊下の人達から視線が刺さる。


そんなに酷いのかな、私。


そりゃそうだ。



昨日なんて、何故か彼のことばかり考えて眠れなかった。





おかげで随分遅めの登校になった。




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