《夕日塔番外編》 想いの裏側

-直次Side-

ムカつく、腹立つ、いい気がしない!!


中学校生活ラストの3年生……オレは不機嫌極まりなかった。


受験勉強が嫌だとか、友人関係が上手く行ってないとか、そういうのじゃなくって――――…


「稚ぃーー鶴ちゃん!一緒に帰ろーーー!!」


オレと遠藤の中学時代の同級生・張戸《はりと》が原因だった。


張戸は明るくお調子者で、なかなか人気のある生徒だったのだが……オレは嫌いだった。


なぜならコイツは3年生になった途端、なぜか遠藤に好意を寄せる様になり………


「嫌!絶対嫌!!アンタと帰る位なら1人で帰るし!!」
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