花蓮【完結】
あたしが生まれたここは周りになーんもない田舎町。

コンビニまで車で行かないとならない距離にあるし。

夜なんかほんと真っ暗で、ぽつんと立つ街灯が逆に不気味に感じる。



虫の音すら鳴らない真冬の深夜。
あたし達は動き出す。



【花蓮】



かれん。
それがあたし達のチームの名前。


半端な奴はいらない。
喧嘩は買うし、売る。

仲間を大事にして、単車を大事にする。
ウリや、薬はしない。


あたし達は女であることに誇りを持つんだ。



男にだって負けない。
媚びることをしない。



皆が皆。
真っ直ぐ生きているわけじゃない。



親に捨てられた奴だとか。

学校で馴染めなくて、不登校になった奴とか。

虐待を受けてたり。
彼氏にDVされてたり。




皆が皆。
闇を抱えて生きてる。


あたしはそれを理解したかった。
< 2 / 368 >

この作品をシェア

pagetop