【完】水筒



 じりじりと日が差す。


 位置を変えた太陽に、木陰は少し動き。


 足元が熱を帯びだし、きっとその熱が全身に伝わったのだと。





「私の水筒、返してよ」




 言い聞かせても言い聞かせても、今日はもう飲めるはずも無い自分の水筒のお茶を求めてしまう。


 熱くて、熱くて。




 もう吹き抜ける風に、意味はない。



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