…+*狼×狼@Cafeteria*+…




「…で、お前もそろそろ帰ったらどーだ?



それとも、俺ともっと一緒にいたいか?」


少しからかうような口調で促すと…




「…う〜ん、なんでオーナー

わたしのこと、抱きしめたりしたんですか?」









「……ゴホンッ


何だその質問は?」




あまりに唐突な話題のチェンジに

戸惑いを隠せないでいると……



「…一週間くらい前でしたよね?

公園で、抱きしめましたよね? わたしのこと…



なんでかなーって?


今しか聞くチャンスないし…」



ははっ。 そんなことか。


何気に素でも、可愛いとこあんじゃねーか。



「…あれな?

母性本能ならぬ父性本能っつーの?


なんか無性にお前が愛しく感じられたんだよ。


ま、じゃなけりゃ

おめーみたいな減らず口女なんて

お断りだっての。」



「愛し、く……?」



「…えっ? 突っ込むところ、そこ?」



笑えるわ、こいつホントに俺のこと……


「…うるさいですっ!」



そー言って俺の肩を掴んだかと思えば




……チュッ




背伸びした彼女が、ちょっぴり強引で且つ

可愛い口づけをくれましたとさ。





「仕返しですよ、馬鹿オーナー?」


そー言って、逃げるように去っていく彼女の左手首を捕らえて…


……背後から、引き寄せる。





「…由香利?

好きだよ。


減らず口女のくせに、俺のこと落とすなんて生意気なんだよ。



責任、とれよ?」



きっと、今の彼女の顔は真っ赤だからね?



背後からの告白ってのも、ありでしょ?



返事が無言の頷きってのも、彼女らしくて

ありなんじゃね?







由香利、俺は、俺でしかねーよ?



お前のこと、大切にしてやっから

少しずつ、殻を破っても強い人間になってけよ?


俺が、錆びたブリキの

油になってやっからよ……






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