二重人格神様



「待て、ライ」


「っ」


「俺は仲間にいれろと言っただけだ、その女から離れろとは一言も言っていない」


「し、しかし」


「いいと言っている、それ以上話すな。俺は、そこの花嫁に話があるんだよ」


「っ」


「なぁ?花嫁ちゃん」


「…っ」



「あ?もしかして、この俺が助けてくれると思った?」


「…」


「ばか。誰が助けるか、海鈴が選んだ花嫁に興味なんかない」



そこから立ち上がり、数歩下がり下弦の月を眺め振り替える



「おい、お前、助けて欲しいのなら、助けて下さいって言うなら助けてやる。花嫁ちゃん」


「…な、なにをっ」



「ライはな、俺には逆らえない。俺がお前を辱しめろと言うならやる」


「…!」


「そうなりたくないなら、助けて下さい。グレン様…そう言うんだな」



「………っ」




「言えないのなら、お前はずっと、このままだ」




そう言い、微笑む姿は恐ろしかった



まるで、神様なのに、盤若のような笑みに私は身体がゾッとした






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