年下の不良くん

「──じゃあ、また夕方ね」

家から駅までを爽さんが運転する車で、送って貰った

これから彼の家から通うので、どうにも学校からは遠くなる

そのため、電車で通うことにしたのだ

ホントは、学校まで送ってくれるって言ってくれてたんだけど、悪目立ちしそうで丁寧に断ったの…

あまり春樹の事を、周りに知られるの事に抵抗があるのだ

人が行き交う改札口を抜けて、地元方面のホームへと向かい、運良く着た電車に乗った

春樹の家は、びっくりするほど都心の中の都心
にある

そのおかげで、都心へと激しくなる通勤ラッシュには免れ、電車の中はガラガラ


ガタンガタンと左右に揺れる電車は、今の自分の心情の様だ


ふぅ、と小さく溜め息をついた


学校に行くのは、久しぶりだから待ち遠しい

優美にも、クラスの皆にも会える

だけれど、絶対、必ず、翔くんには出会してしまう

その時に、私の心が折れてしまわないように、この揺れる心を、今ここで固めておこう

崩れては、今している事が無駄になる

それだけは避けなければ──…



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