年下の不良くん

夕飯を食べ終え風呂にも入った私は、学校から出ていた課題をしようと自室に入った

春樹はというと、持ち帰った仕事の処理に書斎へ

課題が後少しで出来上がろうとした時、ケータイの着信音が響き渡る

ディスプレイには、“優美”の文字だ

「もしもし、どうしたの??」

『ん??
いや、ちょっとりりかの事気になっちゃってさ』

と、明るく答えるが、内心はかなり今日の出来事が心配で、電話を掛けてきてくれているのがバレバレ

どれだけ一緒にいると思ってるの、と頬が自然と緩んだ

「大丈夫だよ」

そう言ったけど、大丈夫かなんて正直、自分でもわからない…

けど、乗り越えなければいけないこの壁なのだから、強がりくらいさせてほしい

『こら、嘘付くな~
…無理してるんでしょ』

図星を付かれて、苦笑いをしてしまったのを
電話の向こうの彼女にも伝わってしまったのだろうか

『無理もいいかもけど、し過ぎたら駄目だからね
泣きたいときは泣きなよ』

優しい言葉に涙腺が緩んでしまって、鼻をズビッと啜った

「…優美」

『なぁに??』

「ありがとう、ね
泣きたいときは、無理しない…」

何でもわかる親友に、私の嘘なんて全てお見通しって訳で…

この子相手に、適うはずもない

『一人で泣くのは禁止だよ』

< 201 / 408 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop