年下の不良くん
第三十一章

ケータイのメール通知音が、私を現実に引き戻した

メールは別に何ともない物で、急に冷静になった思考回路で、いったい自分は何をしていたのだろうか、と思ったが…

……何だが、心が少し軽くなった気がした


泣くことにより、自分の押さえ込んでいた想いを発散出来たのだろう

落ち着いた私は、鏡の前で目が腫れていないか確認したが、ジッと見なければわからない程度で安心した

明日の用意を済ませ、自室を出て彼の寝室へと向かう

あの日から、春樹の隣で寝ている

でないと、逆に彼が私の部屋のベッドにいつの間にか寝ているのだ

それを何度止めても駄目で、堪忍した私が彼の寝室で寝ると約束をしたのだった


──コンコン

「春樹、私もう寝るよ??」

ドアを少し開けて、仕事をしている彼の背中に問うと、優しい笑みを浮かべて振り返る

「もう、そんな時間??
じゃあ、俺も寝ようかな」

パソコンの電源を落とし近づいてきた、春樹

「もう、お仕事はいいの??」

「うん、後は明日にやっても間に合う物だから心配いらないよ」

寝室に入りエアコンが効くまでが寒く、春樹が自然と、ベッドに寝転がると近づいてきた

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